明けましておめでとうございます。
佐野淳也です。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

この場を借りて、お世話になったみなさまに、2005年の活動報告と今年の抱負なぞお伝えしたいと思います(長くなりますが、良ければ最後までどうぞ~!)。


■ 2005年を振り返って

我ながら「よくやるな~」と思うくらい色んなことをやった年でした。
その1年を、10大ニュースならぬ5大ニュースにて、時系列順に報告したいと思います。


1)「言の葉さらさらプロジェクト」がスタート!

今から20年後、2025年にどんな暮らしや働き方をしたいのか、どんな社会にしたいのかという“願いごと”を、七夕の短冊に託して全国から集めた「言の葉さらさらプロジェクト」。この事務局のお仕事を5月~11月の半年間にかけてやらせていただきました。
このプロジェクトの言いだしっぺは、企業のCSRを進める(株)クレアン代表取締役の薗田綾子さん。“ことさらプロジェクト”は、この薗田さんを中心に実行委員会形式で今年からスタート。僕はそのコーディネーターを務めました。

愛・地球博はじめ、全国のイベント会場およびウェブ上で集められた未来へのメッセージは何と約1万5千件。そのうち有効短冊約1万1千件が、専用ウェブサイトにて公開中です。ぜひ、いちどご覧あれ!

ちなみにこのプロジェクトは2006年ももちろん継続。(特非)BeGood Cafeさんと共同で、更にパワーアップして実施する予定ですので、みなさまお楽しみに!


2)ESD-Jにてアジア3カ国を訪問。その後、「アジア太平洋ESDネットワーク」設立に向けた動きが始まる!

2005年より「国連・持続可能な開発のための教育の10年」が世界的にスタート。それを市民の立場で進めるネットワークNGO「ESD-J」の事業で、8月に韓国・インドネシア・タイを12日間でスピード訪問。各国で「持続可能な開発のための教育(ESD)」を進める約20の団体・組織と交流してきました。

その後、9月には東京で「ESD国際シンポジウム」を開催。その中で、アジア5カ国からの参加者とともに、『アジア太平洋地域ESDネットワーク(ESD-AP)』の設立を決定しました。
環境・人権・平和・貧困などさまざまなテーマから、持続可能な未来をつくるための教育活動をアジア太平洋でネットワークするのが目的です。2006年度内の正式発足を目指し、ただいま活動中。ご関心のある方、ぜひご一報ください。


3)東京農工大学 博士課程に入学。研究テーマは「スローコミュニティ」

こうしてNGO活動に精を出す一方、10月からこっそり大学院にも入学していました。東京は府中市にある東京農工大学。最近「生協の白石さん」で有名になりましたが、その白石さんのいる工学部キャンパスとは別の、農学部キャンパスに週に一度通っています。
所属しているのは「水資源計画学研究室」 。生態系修復や、農村づくり計画を専門とする千賀裕太郎先生のもと、『持続可能な地域づくり』の研究に励んでいます。

衣食住といった人間の基本的ニーズを満たしながら、同時に自然と調和し、かつ環境・経済・社会(福祉)のバランスの取れた循環型「最適化」社会。そんなイメージを「スローコミュニティ」と名づけ、生命の本質を成就し合える持続可能な地域社会の未来像を描いてみたいと思っています。乞うご期待! ご関心のある方、ぜひいっしょにやりましょう!


4)東京学芸大「多摩川エコモーション」事務局でのお仕事開始!

こうして大学院にも無事入学し、何とか学問と両立できる仕事をしたいな、と思っていたところ、東京学芸大「環境学習推進 専門研究員」の募集を発見。応募したところ、運良く採用され11月下旬よりお仕事を開始しました。

多摩川エコモーション」と名づけられた教育プロジェクトを推進するのがその内容です。『学生たちが、多摩川流域の地域づくり関係者と交流しながら、将来教員として地域と連携し環境学習を進めていくための力を身に着ける』ことがプロジェクトの目的。文部科学省の支援により05年10月より3年半に渡り実施される予定です。今月14日にも講演会を行いますので、お近くの方はぜひどうぞ!


5)横浜国際福祉専門学校での「国際福祉論」授業

こうした多忙?な活動の傍ら、横浜国際福祉専門学校にて9月~12月と週に一度“国際福祉論”の非常勤講師に行ってました。今年話題になった「ほっとけない世界の貧しさキャンペーン」はじめ、様々なNGOの活動を紹介したり、「世界がもし100人の村だったら」ワークショップを行ったり、はたまた環境や人権の問題を紹介したりと、自分なりのESDを実践してみました。

必ずしも受けたくて授業に来ているわけではない学生さんたちを相手に授業するのはなかなか骨の折れる仕事でしたが、しかし中には自分たちで募金活動を行う学生さんが現れたりと、結構手ごたえを感じた3ヶ月間でした。来年もできればやりたいと思いますので、みなさん良ければゲストで来てくださいね!


■ 2006年の抱負 -“自分を好きになる”

2005年でもっとも心に残った表現が、ゾンカ語で「幸せ」をあらわす言葉の意味でした。ゾンカ語は、インドと中国(チベット)に国境を接する人口65万人の小国ブータンの言葉です。

ブータンと言えば、経済のみで国の発展をはかるGNP(国民総生産)に対して、GNH(国民総幸福)という尺度を唱えたことで知られています。「自然」の保全と「伝統・文化」の継承、そして公正な「経済」発展と優れた「統治」。この4つのバランスを取ることによって、国民の幸福量を最大限にしよう、というのがブータンのGNH政策なのだそうです。

そして、ゾンカ語で「幸せ」を表す言葉の意味は“自分が好き”なのだそうです。確かにそうですよね。自分の収入・地位にかかわりなく、今の自分を最大限好きになれてそのことに感謝することができれば、その人は幸福を感じることができるのかも知れません。

そう考えれば、言の葉さらさらが願う未来も、ESDが目指す社会も「一人ひとりが自分を愛し、その自分を最大限発揮し合い、お互いに調和して幸せをつくっていく社会」なのではないか、と思うようになりました。

そのためには、まず自分自身を好きになること。自分の最大の可能性を信じ、その可能性を開花させていくこと。2006年は、そうした「自分づくり」の年にしたいと思います。そして自分の“存在対効果”を高め、たくさんの笑顔をつくっていけるような仕事をしたいと思います。 みなさん、今年もどうぞよろしくお願いいたします!