Jun's Cafe

さのじゅんやのブログ

2006年04月

環境と福祉の国デンマークのお話

昨日、環境省の会議室で開かれたケンジ・スズキさんの講演会に行ってきました。
ケンジ・ステファン・スズキさんは岩手県出身。23歳のときに日本の大学を中退して、コペンハーゲン大学に留学。以来40年近くデンマークに滞在し、日本大使館勤務など経て、環境を学ぶ研修センター「風のがっこう」を設立し、代表を務めています。

講演会には、当然のことながら環境省のスタッフが大勢参加。しかも若手の職員がたくさん参加されていたのはとても期待が持てました。スズキさんのお話は、風力を中心にデンマークの優れた環境の取り組みや施策、その背景・歴史など多岐にわたりました。

なかでも印象的だったのは、元来厳しい自然環境で決して裕福でなかったデンマークでは、「不安」を取り除き、安心して暮らしていくために国民が団結してきた歴史があり、それがいまの優れた福祉国家のありかたにつながっているということ。そして、人間生活のなかで最も基本的でたいせつなものとして ①空気 ②水 ③食糧 ④エネルギー を挙げ、その4つをなるべく自給し守っていくために廃棄物の出ない風力発電を強力に推し進めているということでした。

確かに、この4つは大事です。
いまの自分の東京の暮らしを見てみると、この4つとも安全でクリーンだとは言いにくく、しかも国内で自給し切れていないことに気づきます。

また、スズキさんが最後に触れたのは、日本とデンマークの違い。
デンマークは、人口500万あまりと小さい規模だということもあり、国民と政府の間の距離が近く、国民には自分たちで国をつくっているという実感があります。
しかし、日本はマスコミや政府を批判しても、何だか他人任せ。「誰かが何とかしてくれる」という意識が多いにように思えてそれが心配だ、とおっしゃってました。

たしかに、「自分たちで何とかする」ていう意識に変えるべし!ですよね。
日本は世界に最たる国内債務国家。その借金を返すために、僕ら以降の世代は早晩生活レベルを下げざるを得ない状況へと突入するかもしれません。
そうした負の側面も見据えつつ、いかにワクワクするビジョンを描いて行くか。
それがもっとも大事な局面に来つつあることを実感しました。


さくらスケープ

今年も桜が咲き、そして散った。
いま仕事で通う大学構内の桜は、早や若葉を生やしだしています。
大学のキャンパスは新入生たちの仕事で活気にあふれています。
彼らの元気な姿を見ていると、こちらもうれしくなってきます。

さて、「さくらスケープ」という素敵なサイトを見つけました。日本列島の地図の上にある、さくらマークをクリックすると、携帯から投稿された俳句を写真つきで見ることができます。

短い文章のなかに、自然の一瞬の美とそれに対する情感を伝えることができる。そんな俳句の素敵さが改めてわかるサイトです。おススメ!

モルさんが見た日本の環境教育

今日は、タイから日本の環境教育に関するフィールドワークのため来日中のモルさんからディナーのお誘いを受け、職場の仲間3名で行ってきました。

彼女は、日本財団のアジアフェローシップとして5ヶ月間日本に滞在し、東京・水俣・京都など10箇所で、小中高など学校教育での環境教育カリキュラムについて調査をされている。今月16日からはインドネシアに移って3ヶ月間同様の調査を行い、その後タイに戻ってまた環境教育の活動をされる予定だそうである。

彼女に、日本の学校教育での環境教育の評価できるポイントと、改善点について聞いてみた。それによると、まず改善できる点として学校や地方自治体ごとにかなり特色のある環境教育プログラムがされていることがあげられるそうだ。特に総合学習などで、地域・郷土学習のカリキュラムがたくさんあることに感銘を受けたそうで、実はこれは他のアジア諸国では余り見られないとのことだった。

次に改善が望まれる点として彼女があげたのは、日本の環境教育は(これは日本人の思考パターン全般に言えるかも知れないが)、現象面ばかりに目が行きがちで、環境問題を不引き起こしている原因やシステムそのものについて考える部分が欠けているという点だった。

たとえば、ごみ学習の授業を例に取ると、ごみをどのように分別したらいいか、という個人レベルでのアクションについては学んでも、そのごみはどのように発生しているか、私たちの消費のありかたや製造者・企業のありかたとどう関連しているのか、という点についてはあまり触れられないため、問題の根本的な解決には向かいにくいという弱点があるのでは?ということであった。

確かに、日本人にはシステム思考が抜けがちだ、とよく言われる。現象面だけでなく、問題を起こしている構造そのものを理解し、その仕組みをどう変えていけば、消費者も企業も行政もWin-Winな関係になっていけるのかを考えるような授業・プログラムがもっと初等教育から導入されていけば、しいては日本の政策のありかたにも影響を与えるのでは?と改めて考えさせれる機会であった。

大人も、もっとそうしたシステム思考のトレーニングを受けたほうがいいですね!
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