昨日は「奇跡のりんご」の木村秋則さんの講演会が大学でありました。なんと1200名もの参加者が集まりました。過去にやった茂木健一郎さんや勝間和代さんの講演会にも匹敵する参加者数だったようです。

さて木村さん。テレビやご本で同じみの、飾らないそのままのお人柄で演題に立たれました。
お話を要旨をいくつか紹介しますね。

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「答えはかならずある!」
:常識にとらわれない!
:バカになれ!
:温故知新!
:活かして生きる!

これは、絶対不可能と言われた無農薬のりんご作りを実現してきた経験から自分に言い聞かしている言葉だそうです。

「この地球を支えているのは雑草とバクテリア」
いい土は匂いがよい。
木村さんは、山の栗の木の根元の匂いをかぎ、これと同じ匂いと自分のりんご畑でも再現できれば…と取り組んだそうです。
そして、雑草とバクテリアこそがそのよい土をつくる立役者であることを経験から学びました。

「植物にもみんな耳がある」
植物にも思いやりをもって接すれば、かならず作物は答えてくれる。
自分のために酒を飲むより、田に感謝の気持でそのお酒を田んぼに捧げよう。
そんな気持ちが、きっと相手に通じる。これは、コップでも石でも、実は何にでも耳がある。
思いやりの気持ちが大切。

「他人の幸せを願う気持ち、もう少し日本人に戻ってほしい」
もともとこんな気持ちが当たり前に日本人にあったはず。それが失われて我先の世の中になってませんか?

「自分にありがとうと言ってください」
相手にありがとうと言うと同時に、自分にもありがとうと言ってやってください。
いまこうして生きているのは、自分のこころと体が生きているからなのだから。
自分を生かしててる自分にも感謝しよう。

「自分がその野菜だったら、と常に想像しながらこれまで自然栽培をしてきました」
自分が稲だったら、きゅうりだったら、いま 何が必要だろう、何をしてもらえるとうれしいだろう、と接してきた。

「全てに対して思いやりの心を持てば、毎日が楽しく明るくなる」
そうやってみんなが互いを思いやれば、日々は一瞬に変わる。
政府に期待するのではない。まず自分たちが変わる。

「目に見えない力を大切にすれば、心がまるくなる」
目に見えない力によって生かされている。それはわたしたちの想像を超えたものである。
そこへの感謝を持った時、調和のこころが生まれる。

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お話を聞いて、ああやはり木村さんは天から大きな役割を与えられた人で、その役割をご本人もしっかり自覚されて歩まれている人だな、ということを確信しました。

農薬の問題(日本は世界一農薬漬けの農業をしている国)も、データを示しながらはっきり言及いただいたのも大変良かったです。

ドイツの有機農家に、自然栽培の指導をしにいった話は痛快でした。

大事なのは、作物が大きく土に根を張れるようにすること。
そんな潜在能力を最大に引き出すこと。
そのためには与えすぎないこと。

これは、人間の教育や子育てにもぴったり当てはまるというお話が印象的でした。