さて、久しぶりのブログ日記です。 
みなさんお元気ですか? 
このところ、もっぱらツイッター中心につぶやいてましたあっかんべー 


さてさて、先週金曜にNPO「懐かしい未来」主催のガンディーの講演会に行ってきました。 
ガンディーの本を翻訳した、新潟の片山佳代子さんが講師でした。 
http://homepage1.nifty.com/kayoko/ 


お話を聞いて印象的だったのは、
「欲望を愛で置き換える」というガンディーの言葉でした。 

ガンディーは、貧困や環境破壊、戦争の根っこには「欲望」があり、 
自分の想いのままにならないことへの不満や怒りから、 
こうした問題事が生じていると考えたそうです。 

その欲望を「愛」に置き換えたなら、 
出てくる現象(果実)は平等、生態系との調和、
平和な社会というものになっていくと。 

自分の中にある「人に認められたい」「何かを得たい」という欲。 
これを愛に置き換えたなら、
「相手を認め受け容れる」「惜しげもなく相手に与える」 
ということになり、生き方全てが変わっていく。 

ガンディーが偉かったのは、
それを口だけではなく行動に移したことだと思います。 
それゆえに、ガンディーは多くの人に支持され、国際世論も彼に共鳴し、 
大英帝国もそれに従わずを得なかったのでしょう。 

「欲望を愛に置き換える」ことは実際にはかなり難しいことですが、 
いまこそその実践が求められているときはないと思います。 

その前の段階として、まず
「自分が充分に愛され、認められ、許されている」 
ことを知ること。これが大切です。 

それを知ったときに、相手に求める心がじょじょに氷解し、 
与える心へとゆっくりマインドチェンジできるのではないでしょうか。 


ガンディーは最初、
英国製の服を火で焼き払うなどの過激な行動もしましたが、 
そうした行動は結果としてインド民衆の
英国に対する怒りの感情を増幅させ、 
暴動に発展してしまい双方に死傷者を出す事態になってしまった。 

その反省から、その後ガンディーはしばらく政治活動から身を引き、 
アシュラムの中でこころを見つめる時期を過ごしたそうです。 

そうしたプロセスを経て、
ガンディーはやはり一人ひとりが精神性に目覚め、 
非暴力の思想をしっかりと心に落とすことがなにより大事だと思い、 
その後の活動の質を変えていったそうです。 

具体的には、何かを攻撃したり破壊するのではなく、 
もっとよりよいものを産み出し、それを広く社会に提供することによって、 
人々の意識を変え、最終的にインド独立を勝ち取ったとのことでした。 

そしてガンディーは、晩年、これからのインドや世界の方向性として、 
「人々が生態系と調和し、農を主体としたコミュニティの中に暮らし、 
そして国家はその間の資源の調整や国全体の外交など、
限られた機能となり、 制度や法律も最小限になっていく」 
というビジョンを持っていたそうです。 

それは当時、余りにも先進的だったために、
インド国内では広く支持さませんでした。 

しかし都市・工業化社会を経験し、
その矛盾にみんな気付き始めたいま、 
世界中でエコビレッジ創出やコミュニティ再生の運動が起こっています。 
時間差で、ガンディーの理想が実現し始めている、
ということを感じます。 


またガンディーは、 
「神が存在しておられなければ、草の葉一枚もそよぐことはありません。 
私はただ、自分の務めを果たすのみです。
結果は神の御手の中にあります」 
と語っていたそうです。 

そういえば、りんごの木村秋則さんも、 
「全ては神の采配」という本を書かれてますよね。 

こうした発想というか考え方は、以前は「宗教的」なものとして 
あまり広く受け入れられてなかったように思いますが、 
この数年日本の中で、こうしたありかたが急速に求められ、 
また人びともそれを受け入れ出しているのを感じます。 


ここでいう神とは、特定の宗教における特定の神ではなく、 
この世界を司る宇宙の摂理、といったものだと思います。 

英語で言うと、Universal Law とでも言うのでしょうか。 
普遍的な、宇宙の法則。 

私たちに起こることはすべて、この宇宙の法則に貫かれている。 
なので、いいように見えることも、悪いように見えることも、 
起きることを受け入れ、その意味を理解し、 
その中で自分の務めを果たしていくこと。 

そのことを、ガンディーは「神に捧げる生き方」と表現したそうですが、 
これもまた特定の宗教の神ではなく、この宇宙の法則を信頼し、 
それに委ねて流れに乗っていく生き方、という意味なのだと思います。 


いま自分ができることを最大限やりきり、結果は宇宙に任せていく。 
そんな屈託のない、気持ちのいい生き方が、
これからのスタンダードになっていくのではないか。 
そんな気がします。 

そしてこの生き方は、
決して政府や大学のような機関が先導するのではなく、 
目覚めた人が一人ひとり自分の生活で実践をはじめ、
個々の生き方をシフトすることにより、 
全体としてなされていくのだと思います。 

ですので、長い道のりのように見えて、
やはり私たち一人ひとりの毎日の暮らしそのものが大切で、 
具体的に一人ひとりの生き方が変わることが、
より良い平和な社会へ至る最短の道なんだな、 
というのが今日の結論でしたうまい! 


さらにガンディーはこう言ってました。 

There is no way to the Peace. 
Peace is the way. 

“平和への道はない。 
平和こそが道なのだ” 


まず自分のこころが平和になり、言葉や態度が平和になり、 
自分の平和がまわりに平和をもたらしていくこと。 

そんな静かな日常の平和実践こそが、いちばん力強いのだと。 
そしてこの平和実践においては、ひとりひとりがリーダーなのだと。 


これからは、その人の中にどれだけ内面の平和があるかどうかが、 
その人を評価するいちばん大きな軸になっていくと思います。 

僕も、来年には40歳。 
人生の後半期に入っていく上で、 
こうした内面の成熟をなにより大切にする生き方に、 
シフトしていこう。 

そんなことを、改めて感じた今日この頃でしたチャペル